今週末、北の大地へ。

最初の一匹はいつもこうなんだ。

大小かまわずふるえがでるんだよ。

釣りは最初の一匹さ。それにすべてがある。

小説家とおなじでね。処女作ですよ。

だからおれは満足できた。

もういいんだ。魚は逃がしてやりなさい。

おれたちは遊んでるんだ。

夏の闇




ガイドのKさんからメールが届いた。『いよいよ今週末ですね。春ゼミの時期は終わって、ヒゲナガのハッチが見られます。これもマドラーミノーやカディスの#6〜8でカバーできるかと思います。勿論いつもお使いのフライもお忘れなく。虫よけ&クマ鈴&雨具のご準備もお忘れなく・・・。きっと楽しい釣行になると思います。』

コーヒーで一息入れて、机に向かってフライを巻いている。トラウトが掛かったときの、あの『優しい電撃』を想像する。川の静寂を破る魚のライズを想像する。








なぜ、北海道でなければならないのか。

フライの師匠は言った。それは麻薬のようなものだから。より強い薬を求めるようなものだから。

ある友人のライダーは言った。初渡りの感動を越えられないから、何としても越えるために毎年アホみたいに逝くのだと。

苫小牧港にフェリーが入港し、オートバイを拘束するロープとフックを係員を待たず外すあの高揚感は忘れられない。

しかしオートバイで再び彼の地に舞い降りるのは、もう少し先になるだろう。

まだ、自分の円が完成していないから。

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