渓流禁漁以来、久方ぶりの釣りの舞台は、大海原である。
相模湾沖に、秋の回遊魚カンパチを狙う。いやいや、シイラでもカツオでもいい、かかって来いってんだ。
40〜60gのジギングで、鳥たちが水面に狂い舞う通称・トリヤマに打ち込む。
船長のスピーカー「はいやってみて〜30ね〜」
タナは30メーター。40gのジグなら落下30秒、60gなら落下25秒でタナをとれる。
底を狙うか?そこから5m上げてシャクるか?
男と魚の駆け引きがはじまる。
「海が荒れてりゃ誰も出ない。そしたら俺の海になる。」(松方弘樹)
食うか食われるかの男の戦いだ。海釣りは人生の縮図と呼ぶにふさわしい。
魚のアタリすらない。釣れない。もういい、アジでもいい。
結局、なーんにも釣れなかった。
檜原湖の戦慄と呼ばれ、小阿仁川の恐怖と呼ばれ、シーソプラチの奇跡、江戸川の歓喜と呼ばれた私なのに、アジいっぴき釣れなかった。
あちきは、郭の中の鳥でござんした・・・・
落胆のまま釣宿に戻ったところ、気の毒に思ったのか船長さんからイナダをもらってしまいました(笑)。
泣きながら3枚におろして刺身にしました。
血抜きをしていなかったので、生臭かったです。
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