週末は寒かったので鬼怒川温泉にまた潜伏しておりました。
体が芯まで暖かくなるので温泉が大好きなのであります。
生まれながらお湯として湧き出たであろう温泉のお湯は、水から温めたお湯とはやはり違うのでしょうかね。
2回目の露天風呂後。バーで独り、湯冷めを楽しむ。外からは鬼怒川のせせらぎだけが耳に入ってくる静寂の22時。
しかし無心とは無縁のようで、来る春はどこの川に入ろうかとか、コックハックル(フライ用の鳥の羽根)を手配しよう、とか。パンのフロントEXバルブ周りのこと、陸王の腰下リアエンドのこと、子どもの成長のこと・・・などなどの煩悩が目まぐるしく脳内を駆け巡るのでした。
『釣りをしているときは外からは静かに見えるけど、実は妄想のまっただ中にある。
このとき考えていることといえば、原稿料のこと、〆切日のこと、編集者のあの顔この顔、それからもっと淫猥、下劣、非道、残忍。
もうホントに地獄の釜みたいに頭の中煮えたぎってる。
それが釣れたとなったら一瞬に消えて、清々しい虚無がたちこめる。』
これまた開高節っぽく「よっしゃ光が見えたデ!」となれば気持ち良いんですが。
子河童はもう、ブッフェバイキングも平気になってきて遠出がラクになりました。温泉はまだキビシー。
さて今年度に2回行ってしまった鬼怒川温泉。相変わらずなかなかの廃墟っぷりを見せつけておりました。
東京から来る観光客の密度と、安い物件ゆえに文字通り泡のようにホテルが川沿いに増築されていく、という濡れ手に泡のダブルスタンダードがバブルで絶頂を迎えて、それがいとも簡単に崩壊してしまったのですな。(私有地なので立ち入り禁止)
福島の温泉も同じようなものか。
しかしながら、今回行ったホテルや、先夏に行ったこのあさやホテルのように、足利銀行の経営破綻のときに産業再生機構の支援を受けて、素晴らしく再生した旅館も多いのです。
コスパが非常に良いので、一度行ってみることをオススメします。
何より駅前のこのハイセンスと悪趣味の見事な融合を見て、栃木の方は天才だと思いました。
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