先日金曜からの週末は、福島市のわらじまつりだった。
地元に帰ってきて、その地の有志たちと馴染むにはお祭りの裏方で参加するというのが最もてっとり早い。
福島市の信夫山に鎮座する羽黒神社の例祭で、長さ12m、幅1.4m、重さ2tの日本一の大わらじをおよそ100人の若連で担ぎ上げ、福島駅前など市内目抜き通りを練り歩いた後、信夫山の羽黒神社へ奉納するというのが、この祭りのコアな部分である。
いまではその間に若いコたちが2,000人ほど参加するサンバのようなイベントがあったり、わらじ踊りやわらじ競争があったりする。
わらじ競争は極真空手に通っていた高校生のとき、道場総出で参加したことがあった。そのときは相手が自衛隊で玉砕した。
いまこうして20年ぶりに故郷のお祭りに、しかもスタッフとして参加していることは感慨深い。
お仕事の一環でサンプリングもやってました。
それ飲んで。さて、大わらじ担ぎに行ってくるでな。
担いでる写真は当然ありません(笑)。ぐるんぐるん回すので何度も吹っ飛ばされそうになった。ワラジに吹っ飛ばされたと言っても誰も信じてくれそうもないが、なんせ2トンもあるんだから。
わらじ踊りの歌はどこかで聴いたコトのある声だなと思ったら、舟木一夫だった。作曲は福島出身の古関裕而。
古関裕而は早稲田応援歌の「紺碧の空」や、「栄冠は君に輝く」「闘魂こめて」「東京五輪オリンピックマーチ」「君の名は」など、著名な歌を数多く残している地元が誇る作曲家である。
ちなみに軍歌も作っていて、「ラバウル海軍航空隊」も彼の作品だ。そういえば映画『モスラ』の歌もそうだった。
金曜、土曜の怒濤の夜が終わり、きょう日曜は大わらじを山頂の羽黒神社へ再び奉納。
さてこの巨大なわらじ、江戸時代中期に羽黒神社に仁王門があり、安置されていた仁王様の足の大きさにあったわらじを作って奉納したことが由来とされている。
福島にも、300有余年のアンドキュメンテッドな豊穣な歴史がある。
いまでは仁王様はなく、その足に履く『わらじ』のほうが神様になっている。
「日本の神の源流をたどってみると、西洋の神にみるような、意志をもち人格をそなえた存在からはなはだ遠いものをカミと呼んでいたことを知る。本居宣長は「可畏きもの」をカミと言った。(「古事記伝」)」
日本の神社や祭りで祀られる地域土着のカミサマというのは、要するにとらえどころがない存在なのだろう。
これにてお祭りは無事に終了。山頂までの山道がトドメとばかりにハードだった。全身が悲鳴をあげている。マッサージ直行、である。しかし良い祭りに参加させてもらった。凄まじく疲れたが。
期間中、実行委員長は子どもたちに語りかけていた。「福島の、ふるさとの祭りに来年も帰っておいで。」と。
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