若い頃に手放したバイクとネットオークションで再会を果たしたとある男性のお話
事情があって、32年前に手放さざるを得なかったパンヘッド(58年式デュオグライド)と、ネットオークション「eBay」で感動の再会を果たした男性の実話。
『最初のバイクはモンタナで買った。世界で一番美しいバイクだった。
高校2年生の時だ。ホンダはまだなくてハーレーかインディアンだった。
若者としての儀式みたいなもんだよ バイクに乗るっているのはね
バイクで稼いでいいのは俺だけだって思ったもんさ
小さな頃からバイクは好きでただそれだけをやりたかった。
人生の計画はなかったよ
どうやってバイクに乗り続けるかしかなかった。
それから13年、娘が生まれた
金が必要で、だからバイクを売った。
間違いだ、ってのは分かってた。
もし再び出会えたら、って何度も考えたけど
俺の祈りが届くことはなかった。
あきらめて同じ58年式のハーレーを探していたときだ。
あいつに会えるとは思っていなかったよ
でも何年か探し続けていたのさ
そしたらある日のことだ たしか32年後だよ、売ってから。
あいつがいたんだ。
フレームナンバーが同じだった。
中古バイクに妥当な額で入札したら競り負けた。
「神様、もう一回だけチャンスを」と祈ったね
そしたら1年後、またebayに現われたんだ。
今度は俺にとっての価値の分だけ入札した。
人は失ったものについては語りたがらない
父には57年式のハーレーを売ってほしくなかったし
祖父にもバイクを売って欲しくなかった。
俺は、自分のバイクを取り戻せた男なのさ
こいつしかないってバイクをね ああそうとも』
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