ようやく、年の瀬のバタバタも一段落してきました。
さて、平成24年が暮れていきます。マヤ暦のほうが一足早く新年を迎えたようです。あの終末論は大晦日のことだったのかもしれない。
昨年は大震災と原発事故で日本が激動でしたが、今年は自分が激動の年でした。言葉をバラして激的に動いた年、でありました。
春、長年親しんだ東京から、故郷の福島へ帰ることになりました。
家族の決心も相当なものだったハズ。自分についてきてくれたことに、心から感謝しています。
骨董実用自転車、千代鶴号とは小岩でお別れでした。
まあとにかく、引っ越しが大変でした。毎晩送別会を開いて頂いてありがたかったけれど、引っ越し業者が来る当日まで荷物を整理する時間がなくて、ぽんさんが助けにきてくれました。
何よりも、我が愛する江戸川旧車会のみなさんが派手に送ってくれましてね。
たくさんの親愛なる旧車の先輩方と、最後の一か月で何回も飲みました。
最後の江戸旧朝練。
東京生活は不自由もあったけど、思えば贅沢な週末だったなあ。
友人にだけは、恵まれてる。それだけが自慢でもある。
帰ってきた福島は、放射能のダメージで惨憺たるやと想像していたけれど、自然の美しさはそのままであった。
しかし放射性セシウムが蝕んでいるエリアも確かにあって、数値と向き合って生きて行かなければならないという重い足枷が、福島の復興の妨げになっていることを実感しました。
実際に高濃度エリアから仮設住宅に避難されている方が多数いる一方で、他県を圧倒する徹底的な調査と除染に加え、いま自分たち家族が住んでいる福島市エリアはそもそもほとんど影響が出ていないというパラドックス。
ただ単に福島県が広いという理由だけではなくて、線引きしているという感覚は確実に存在している。
自分はセシウムについてあまり怖くないので、阿武隈山系を釣り歩いておりました。
川を釣り上がっていったら、いつのまにか警戒区域に入っていたようで、釣り竿片手にパトカー数台に囲まれたこともありましたけど。福島に帰って早々何やってんだって話ですが。
そんな中、福島旧車会の春の全体MTGが開催されました。
メンツが濃すぎです(笑)
東北に居を移してからというもの、渓流にいく機会が飛躍的に伸びました。
東北の渓魚の数とサイズは全国トップクラス。夏〜秋は堪能しましたぞー
やっぱり行きました北海道。
川の狼、健在。
来年も行きたいな〜 行けるかなあ
夏。自宅も構え、ついにガレージを建てました。基礎から手作り、さらに最強助っ人アメさんの奮闘により、やっとこさ完成。
ガレージ製作記でこの熱い夏は終わった。
柴又でバラしていた陸王。
福島で完全に組み上がりました。
晩秋、第7次佐野旧車総合火力演習。
乱舞。
走れ、走りつづけよ。偉大なるマンネリに愛を込めて。
・・・と、そんなこんなで焦げパンは一人で走りつづけております(ウソ、あんまり走ってない)
来年のあてどない希望を抱きながら、きょうも毛ばりを巻いています。穏やかな年末です。
そうそう、なつきはおかげさまで元気ですよー。実は来年、お姉さんになるのです。
年末恒例、今年の一冊。
『光圀伝』冲方丁
ことしはこの小説が個人的ブッチ切り一位。「天地明察」の作者でもある。
天下の副将軍が生涯を賭けた大義とは何だったのか。水戸光圀といえば好々爺の水戸黄門がお供を連れて諸国漫遊するイメージがあるが、あれは史実とは異なる。常陸国水戸藩の第2代藩主として名君と呼ばれ、その財力で「大日本史」の編纂という大事業の創始した人物。実際には関東をほぼ出なかったといわれる。
若い頃は血気盛んな傾奇者で辻斬りで人を殺めることもあった。文事(詩歌、学問)で天下を取りたいという熱い思い。好々爺などではなく猛虎を内に秘めたような男であったという新しい光圀イメージを確立させながらも、破綻なく気持ち良い収め方。
作者の冲方さんは福島市在住。彼からのメッセージをここに。
『福島県のみなさまへ。挫折や悲劇があっても、未来は常に用意されていることを歴史上の人物たちは教えてくれます。ぜひ光圀の全力で生き切る姿を体験してください。』
『お前はただの現在にすぎない』萩元晴彦
「テレビは現在にすぎず、安定性、公平を欠き、真実を欠く」―それが体制の警告だ。
テレビは、安定や公平を求めることで堕落する。
テレビは、時間を追うことによってのみ独自の表現を持とうとしなければならない。
それがテレビの存在意義だ。
テレビは権力にも芸術にも再編成されることを拒み、「現在そのものをつくり出していく」限り、その可能性を失わない。そのことで、「お前はただの現在にすぎない」という否定は、「そうだ、テレビはただの現在でありたい」という意志に変わる。
ガツーンときた。ネットに対する強迫観念から、それに寄り添ってみたり、数字(視聴率)に囚われ過ぎて流行を追い過ぎていないだろうか。時代をリードすると勘違いしていないだろうか。
『13階段』高野和明
名著「ジェノサイド」に影響されて、この作者の作品を片っ端から読んだ年だった。
その中でこの13階段は異質かつ今のところ最高。伏線を丁寧に拾っていってクライマックスへ。乱歩賞らしいがこれは別格でありましょう。新幹線出張などで手にすると乗り過ごす可能性あり(笑)
さて、ガッキーを用意して年始の準備もできました。(昨年のガッキーカレンダーは引っ越しのバタバタでどこかに行ってしまわれた)
今年もあと僅か、お世話になりました皆様、ありがとう御座いました。
来年も安全運転。旧車万歳!
皆様のご健勝とご発展を祈念して結びの言葉とさせて戴きます。
新しい年がよい年となりますように。
そして、また素晴らしい出会いがありますように。
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