Once in a Blue Moon.


Once in a Blue Moon.


「私は魚を介して自身を追跡し、再発掘し、更新し、獲得し、全身で体感したがっているらしい。
はっきりとそう読めてくる。釣師は魚を追いつつも自身を追っているのだ。何かの、おそらくは、心の一つの傷から。
いや、一つどころではない傷から。
それと気づかないで。
何の傷か分からないまま。」
開高健(『オーパ!オーパ!アラスカ至上編』)


直筆原稿版 オーパ!


今オススメの一冊。開高健の傑作「オーパ!」が、全て本人直筆の原稿で再現された。
自筆原稿、265枚。
行間に込められた見えざるリアリティ。書き直しの跡が読者を引き止め、試みた思いが見え隠れする。開高健が直接語りかけてくるような圧迫感がたまらない。
この時代に敢えて「紙の価値」に挑んだ開高健らしい時代へのアンチテーゼでもある。作家も万年筆なんかで書かなくなったのだろうな。


作家の肉筆か・・・古いバイクもそうだが、骨董的価値って、金額が先にくるのではなくて、素晴らしい素材があって、それを脈々と受け継ぐ『血の系譜』の重みや、丹念に修復、ケアされてきた『大切な歴史』、そういった事に見いだされるべきものであって、金額はその数値的評価なのだと思う(そうであってほしいという願望もある)。
極上の旧車には、それ相応に良い時間が流れている。反対に、いくら付いている部品群の純正度が高いと言われても、雑に扱われ、雑な時間を経てきた旧車はやはりそれなりに見えてしまうハズだ。
極端な話、もし1948年にタイムスリップしても、ピカピカなだけのヨンパチを欲しがるとは思わないの、きっと。まぁ、あったら感動して乗っちゃうんだけども(笑)。
長くなるのでこのへんにしておいて、


名手・渋谷直人流、ピーコックパラシュートに着手!
ピーコックアイのレッドと、アントのような下部にハールを巻いているのがポイントだ。爆釣を予感させるフライなので、巧く巻くために日々精進中。


いよいよ来月に迫った北海道釣行用の、ドデカ・フライにも着手!なんと4番ですよ。
いくらなんでもデカ過ぎかな?でも4〜6番をメインで巻いて来い!って言うんですよ、あっちの師匠が。楽しみです。


Once in a Blue Moon.すみれ色に染まる北の大地の黄昏に、モンスタートラウトの幻を見る。

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